クリニック紹介

 当クリニックは「病理診断科」の専門クリニックです。
 そもそも一般的に医療機関では、患者さんの疾患の診断を進めるに当たって、大まかに「臨床診断+病理診断 → 総合診断」という手順を踏みます。
 臨床診断は、普段患者さんが接する医師による診断のことを指します。それに対して病理診断は、普段直接患者さんと接することのない病理診断専門の医師による診断を指します。
 そして現状、受診される病院や臨床医は、患者さんのご希望によってある程度選択可能となっていますが、病理医を選択することはほとんどできない医療体制となっています。
 当クリニックはこの病理診断のエキスパートから成り、大きな病院の日常病理診断の受託(一次診断)とともに、病院にて「病理診断」を受けた患者さんや臨床医の疑問やお問い合わせ(セカンドオピニオン)に直接お答えしています。

病理診断の流れ

病理診断ではまず、患者さんの体より採取された病変の組織や細胞から顕微鏡用のスライドガラス標本を作成します。この標本を病理医が顕微鏡で観察して診断を行います。病理診断結果は患者さんの主治医に報告され、治療に活かされます。つまり良質な病理診断は、患者さんがより最適で良質な医療を受けられることにつながります。

病理診断の特徴

病理診断は、臨床診断で詳細な疾患を把握できない状況(腫瘍性疾患、いわゆるガンなど)において特に効果を発揮し、病理診断=総合診断 となるケースも多く存在します。
また、炎症性疾患の場合は、臨床診断のみでは異なる原因(感染性・自己免疫性・薬剤性など)で類似の結果となることが多く、結果臨床診断のみで原因を特定することは困難となります。そこで下記のように病理診断と組み合わせることで、可能性が高く論理的に妥当な原因・疾患を探っていくことが必要になります。

例)
臨床診断 疾患A 90% 疾患B 70% 疾患C 50% 疾患D 10%
病理診断 疾患D 90% 疾患C 80% 疾患B 50% 疾患A 20%
総合診断 1.疾患C 40% 2.疾患B 35% 3.疾患A 18% 4.疾患D 9%
治療方針 → 疾患 C,B を念頭に、初期治療決定。その後、治療反応を見ながら、疾患確定出来る根拠を増やしていく。

なぜ病理診断専門クリニックなのか

上述のように病理診断は非常に重要性の高い医療行為です。
そしてその専門性の高さから、臨床医が唯一理解・実行できない医療業務と言っても過言ではありません。医学生の頃に、臨床所見や画像所見(CT/MRI などの画像検査の読影診断)の取り方を学ぶ時間は多いですが、「病理診断」を学ぶ機会はありません。病理医となるトレーニングは、医師免許を取った後に、病理医を志す医師のみ、ほぼ0からのスタートする形となっています。
そのため病理医は人数が少ないのが現状です。
そんな病理診断の質を担保し、最適な医療を患者さんに提供したいという思いから立ち上がったのが、この病理診断専門クリニックなのです。